岡本綺堂 作 市川猿翁 演出
一、小栗栖の長兵衛 一幕
金井俊一郎 美術
長兵衛/市川 中車、 馬士弥太八/市川 右近、 妹おいね/市川 笑三郎、
堀尾茂助/段治郎改め 市川 月乃助、 猟人伝蔵/市川 弘太郎、 父長九郎/市川 寿猿、
巫女小鈴/市川 春猿、 僧 法善/市川 猿弥、 七之助/市川 門之助
小栗栖村の長兵衛は、大酒飲みで喧嘩や博打を好む村一番の暴れ者。
村人には嫌われ父親にまで見放されるほどです。今日も馬を盗んだ疑いをかけられたことで、暴れまわったため、村人たちを簀巻きにされてしまいます。しかし長兵衛が謀反の明智光秀を竹槍で討った手柄者だと分かると、村人たちの態度は一変し・・・・・。
岡本綺堂による新歌舞伎の名作で、史実を背景としながら、浅はかな人間の姿や大衆心理に対する風刺を明るく描いており、大正九年に初世市川猿翁によって初演されました。澤瀉屋にとって所縁の深い作品をお楽しみください。
二、四代目 市川猿之助・九代目 市川中車 襲名披露 口上 一幕
亀治郎改め 市川 猿之助、 市川 中車、 中村 梅玉、 幹部俳優出演
平成二十四年に二代目市川亀治郎が四代目市川猿之助の名を、香川照之が九代目市川中車の名を襲名し、その襲名興行は大きな話題となりました。この度は、猿之助と中車が幹部俳優と共に、西コースの皆様に襲名のご挨拶をさせて頂きます。
三、三代猿之助 四十八撰の内 義経千本桜 川連法眼館の場 一幕
佐藤忠信・忠信実は源九郎狐/亀治郎改め市川 猿之助、静御前/市川 笑也、
亀井六郎/市川 弘太郎、 駿河次郎/市川 猿弥 、 源義経/中村 梅玉
吉野にある川連法眼の館に匿われている源義経のもとへ家臣の佐藤忠信が訪ねて来ます。そこへ静御前と忠信の到着が告げられますが、やってきたのは静ひとり。不審に思った義経はもうひとりの忠信の詮議を命じます。静御前が初音の鼓を打つと、どこからか忠信が現れます。実はこの忠信は、初音の鼓の皮に用いられた夫婦狐の子。親を慕い、忠信の姿に化けて鼓と静御前に付き添っていたのです。孝心に感嘆した義経が、静を守護した褒美として鼓を与えると、狐は喜んで古巣へ帰って行くのでした。 義太夫狂言三大名作のひとつ「義経千本桜」の中でも有名な「四の切」。澤瀉屋型ならではの数々の仕掛けや早替りなど趣向溢れる華やかな一幕です。親子の情愛を描いた名作をご覧ください。
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